さて、シリーズ化していたインベイジョン・ブロック期の友好二色デッキ紹介は今回で最終となります。クリーチャーでガンガン攻めながらこちらはどんどんライフを回復していき、手が付けられなくなる白緑のビートダウンデッキ、メロンです!

メロン
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◇クリーチャー(22)
4 ラノワールのエルフ/Llanowar Elves (7ED)
4 荊景学院の使い魔/Thornscape Familiar (PLS)
2 ラノワールの騎士/Llanowar Knight (INV)
2 気高き豹/Noble Panther (INV)
4 突進するトロール/Charging Troll (INV)
2 カヴーのカメレオン/Kavu Chameleon (INV)
2 セラの天使/Serra Angel (7ED)
2 剣歯ニショーバ/Sabertooth Nishoba (INV)
◇呪文(16)
4 アルマジロの外套/Armadillo Cloak (INV)
4 パララクスの波/Parallax Wave (NEM)
4 からみつく鉄線/Tangle Wire (NEM)
2 オーラの突然変異/Aura Mutation (INV)
2 増進+衰退/Wax+Wane (INV)
◇土地(22)
7 平地/Plains (INV)
7 森/Forest (INV)
4 低木林地/Brushland (7ED)
4 エルフェイムの宮殿/Elfhame Palace (INV)

 ちょうど今はメロンが旬な時期ですね~ でもデッキ名はそんな甘くて美味しいところとか時期とかではなく、デッキカラーとメロンの皮の色が似ているからというのが由来となっています。ドイツ選手権01で準優勝したStephan J. Valkyser選手のリストが一番近いのですが、赤がタッチされていて、《火炎舌のカヴー》や《シヴのワーム》、《ウルザの激怒》などが採用されています。カエルはステロイドと差別化したかったので、純正な白緑として組みました。

 緑や白の優良なクリーチャーで構成されたビートダウンデッキですが、特徴的なのは、クリーチャーに魂の絆能力を付与するエンチャント、《アルマジロの外套》です。

アルマジロの外套

 《アルマジロの外套》は、3マナのエンチャントで付けたクリーチャーに+2/+2修正を与えるとともにトランプルと魂の絆能力を付与します。魂の絆能力とは、ダメージを与えるたびに、その点数と同じ値のライフを得る誘発型能力のことです。常磐木キーワードではなく、この誘発型能力を与える代表的な白のエンチャント《魂の絆》のカード名から取られた通称です。
 現在の絆魂と効果は似ていますが、こちらは常在型能力であり、若干挙動が異なります。例えば、絆魂を複数持っていても意味はありませんが、魂の絆能力は複数持っていればその数だけ誘発しますし、ダメージを与える時点で場を離れていた場合、絆魂は機能しますが、魂の絆能力は誘発しません。また、魂の絆能力は相手のクリーチャーに付与すれば、ダメージを帳消しにするという裏ワザもあります。(ただし、ライフが0になるならその時点で負けます)
 細かい違いはありますが、これを緑と白の優良なクリーチャーに付けてダメージレースを圧倒的有利に持ち込むというデッキになります。

 まず、クリーチャー陣の構成を見てみましょう。
 マナ・クリーチャーですが、《ラノワールのエルフ》4枚のみ採用となっています。本来であれば《極楽鳥》など採用すべきでしょうが、予算の関係から断念しています

ラノワールのエルフ極楽鳥 モノクロ

 その分2~3マナ域のクリーチャーを厚めにしてあります。
 そして、前のステロイドの記事でもご紹介しましたが、緑の友好色である赤と白の呪文のコストを(1)軽減してくれる《荊景学院の使い魔》を4枚採用しています。2マナ2/1なので《アルマジロの外套》を付与して殴ることもできますし、捨て身のブロックに回ることもできます。

荊景学院の使い魔

 次に、中堅クリーチャー陣ですが、《ラノワールの騎士》2枚、《気高き豹》2枚、《突進するトロール》4枚の計8枚です。これらのクリーチャーが主に《アルマジロの外套》の付与先となります。
 《ラノワールの騎士》は2マナ2/2でプロテクション(黒)と能力的には標準的ですが、軽いうえに除去耐性がありますので、《アルマジロの外套》のエンチャント先としてなかなか良い活躍をしてくれます。

ラノワールの騎士

 《気高き豹》は、3マナ3/3と標準的なサイズですが、1マナで先制攻撃を得ることができるため、同じサイズのクリーチャーであれば一方的に打ち取ることができます。

気高き豹

 《突進するトロール》は、4マナ3/3で警戒と再生を持つため、躊躇なく攻撃にいける頼もしいクリーチャーです。《アルマジロの外套》との相性もとても良いため、少し重いですが、4枚採用しています。

突進するトロール

 最後はフィニッシャー級ですが、《カヴーのカメレオン》2枚と《セラの天使》2枚、《剣歯ニショーバ》2枚の計6枚です。
 《カヴーのカメレオン》は、5マナ4/4で打ち消されず、色も変えられるクリーチャーです。打ち消されないため青には無条件で強く、またこれまで紹介してきたミルストーリーの《物語の円》やネザーゴーで採用されやすい黒系の除去もすり抜けられますので、対コントロールの優良クリーチャーです。

カヴーのカメレオン

 《セラの天使》は、MTG初の天使であり、α版から存在する由緒正しいクリーチャーです。5マナ4/4で飛行と警戒を持つなど高いカードパワーを誇ります。基本セット第5版で一度再録を逃しましたが、基本セット第7版でレアになって帰ってきました。当時の期待と興奮が入り混じった高揚感は今でも覚えています。

セラの天使

 しかし、実際には《火炎舌のカヴー》がタフネス4以下のクリーチャーを環境から駆逐してしまっていたため、構築レベルでの活躍は出来ませんでした。
 ですので、これは完全に趣味枠での採用となります笑
 《セラの天使》は、何度も再録されているため(基本セット収録回数は現在最多!)、たくさんのイラストやフレーバーテキストがありますが、カエルは思い出補正もあり、この基本セット第7版のが一番好きです

 《剣歯ニショーバ》も趣味枠での採用です。6マナ5/5にトランプルとプロテクション青と赤を持ちます。なかなかにハイスペックなクリーチャーではありますが、構築レベルでは活躍できませんでした。一応、青や赤を含む呪文はシャットダウンできますので、《終止》や《はね返り》などは防げますが、黒や白の単色除去には無力です。
 そんな《剣歯ニショーバ》ですが、幼少期のカエルにとっては最高の切り札の1枚でした。何度も助けられたこともありますし、あっけなく除去されたりそもそも出せずに負けたりとたくさんの思い出がありますので、今後もメロンのフィニッシャー枠は任せたいと思います。

剣歯ニショーバ

 クリーチャーと《アルマジロの外套》以外の呪文は、ボードコントロール系とエンチャント除去の
大きく2つに分けられます。
 このデッキのもう1つの特徴として、ビートダウンですがボードコントロールに優れているという点が挙げられます。それを可能にしているのが、
《からみつく鉄線》《パララクスの波》で両方とも4枚ずつ採用しています。

 
《からみつく鉄線》は、消散カウンターが4個置かれた状態で場に出て、各プレイヤーは自分のアップキープの開始時に、消散カウンター分だけアーティファクトかクリーチャーか土地をタップします。

からみつく鉄線

 つまり、自分も影響を受けるわけですが、自分は常に相手より1つカウンターが少ない状態であることと、《からみつく鉄線》自体で1つ分は消化できてしまうため、コントローラーがかなり有利なロック手段です。ネメシス発売当初は、この優位性が分かっていなかったのと時限的なロックでしかないためカスレア扱いだったという逸話があります。
 妨害手段として非常に優れているため、ビートダウンだけでなく茶単系のコントロールデッキでも使われ、From the Vault:Twentyに2000年を代表する1枚として新規イラストで収録されました。

からみつく鉄線

 《パララクスの波》はパララックス補充の記事でも紹介しましたが、最初5個乗っている消散カウンターを1つ取り除くとクリーチャーを
1体ゲームから取り除くことができます。最後は戻ってきてしまいますが、十分なロスを与えることができます。

パララクスの波

 そして、一時エラッタで不可能にされていた、
クリーチャーの追放に対応して《パララクスの波》自体を除去することで、最大5体のクリーチャーを永久的に追放することも可能できます。
 この裏ワザを実現するために、2種4枚のエンチャント除去が入っています。

 まず、《オーラの突然変異》は2マナでエンチャントを破壊したあと、そのマナ・コスト分だけ緑の1/1の苗木クリーチャー・トークンを場に出します。出てくるトークンの数は壊すエンチャントのマナ・コストに依存しますが、たった2マナでうまくいけばたくさんトークンを得られるのはすごいと思います。

オーラの突然変異

 当時の環境では、《物語の円》や《はじける子嚢》、《ヤヴィマヤの火》など破壊したいエンチャントがたくさんありましたので、普通に相手に使っても強いですし、自分の《パララクスの波》に使って相手クリーチャーを一網打尽に追放しても良いため、ほとんど腐ることはありません。
 
 もう一方は、緑と白の分割カード、《増進+衰退》です。どちらも1マナで、緑は対象のクリーチャー1体に+2/+2修正、白はエンチャント破壊となっています。こちらも腐ることはないし、状況に応じて使い分けられるためとても有益なカードです。

増進+衰退

 土地の構成は、平地7枚と森7枚と基本土地14枚と、二色地形の《低木林地》と《エルフェイムの宮殿》が4枚ずつで計24枚となっています。
 
 基本土地は、メイン・ブロックであるインベイジョンのもので統一しています

 インベイジョンの平地は、麦でしょうか、稲穂のようにも見えますが
作物が耕作されていますね。ドミナリアのどの地域かは分かりませんが、作物が黄金に照り映えて、とても牧歌的な風景です。

平地1平地2平地3平地4

 また、インベイジョンの
森も緑の生命力が感じられる美しいイラストですね。写実的なタッチで描かれているのが多い気がします。これはラノワールの大森林なのでしょうか、どのイラストに描かれている木立も生命力に溢れていますね。

森1森2森3森4

 白緑
のダメージランド、《低木林地》は、基本セット第7版を採用しています。その名前からは背の低い木々が広がっている様を思い浮かびますが、第7版のイラストは、干ばつ地のようなひび割れた大地に、サボテンが群生しています。背景の夕日も暑い砂漠を連想させますし、右下にいるちょこっといるイグアナもとてもかわいらしいですね

低木林地

 二色地形はもう一種類、タップインデュアルランド《エルフェイムの宮殿》を採用しています。エルフェイムとは、ラノワールの森に点在するエルフの自治区で、《エルフェイムの聖域》でもカード化されています。
 それぞれの宮殿にはそこの
統治者がおり、エルフェイムごとに形が異なるようで、基本セット第8版では、サイクル中このカードのみ新規イラストでの再録となりました。インベイジョンのイラストは、日光が差し込む明朗な森の中に、まさに王族が住んでいそうな美しくカラフルな宮殿が描かれていますが、第8版では木々の幹というか根本と同化したうろ穴のような形をしており、森の様子も何だか鬱蒼としていますね。

エルフェイムの宮殿エルフェイムの宮殿

 このように、ボードコントロールに秀でたビートダウンであり、《アルマジロの外套》によりダメージレースも有利に進められるデッキではありますが、なかなか大会で活躍するレベルにまでは至りませんでした。
 しかし、高額レアが少なく、デッキの動きも単純明快でガンガン殴ってガンガン回復できる爽快さも相まり、初心者にはとても人気なデッキだったと思います。カエルも本当の初期に(カード資産が貧弱だったのでもっとずっと弱かったですが、)同じコンセプトのデッキを作ってたくさん遊びました。
 
 以上、閲覧いただきましてありがとうございます。また、次のデッキ紹介でお会いしましょう。