さて、信心デッキ紹介シリーズのトリを飾る今回のデッキコレクション紹介は、緑単信心です!緑お得意のマナ・クリーチャーや土地のアンタップにより、爆発的なマナ加速を行うビートダウンです。

緑単信心
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◇クリーチャー(29)
4 エルフの神秘家/Elvish Mystic (M15)
4 旅するサテュロス/Voyaging Satyr (THS)
4 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary (GTC)
2 森の女人像/Sylvan Caryatid (THS)
4 加護のサテュロス/Boon Satyr (THS)
4 世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater (THS)
1 ナイレアの信奉者/Nylea's Disciple (THS)
1 狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt (THS)
1 高木の巨人/Arbor Colossus (THS)
1 小走り破滅エンジン/Scuttling Doom Engine (M15)
1 女王スズメバチ/Hornet Queen (M15)
2 起源のハイドラ/Genesis Hydra (M15)
◇呪文(8)
1 セテッサ式戦術/Setessan Tactics (JOU)
2 召喚の調べ/Chord of Calling (M15)
2 世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker (M15)
2 獣の統率者、ガラク/Garruk, Caller of Beasts (M14)
◇土地(24)
1 ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel (M15)
2 ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx (THS)
21 森/Forest (THS)

 このデッキもテーロスのメインメカニズムである「信心」を活かしたデッキです。2013年のプロツアー「テーロス」で「魔王」こと三原槙仁選手がベスト4に入りましたが、多数派だった青単信心や黒単信心に不利であったため当時はややマイナーでした。
 他の色をタッチすることも多く、特に赤をタッチしたものは、「コロッサルグルール」などと呼ばれていましたが、今回ご紹介するのは、完全緑単色バージョンです。参考にしたのは、2014年のワールド・マジック・カップ名古屋予選で準優勝を手にしたMihara Takuya選手のデッキです

 「信心」は、プレイヤーがコントロールする全パーマネントのマナ・コストに含まれる特定の色マナ・シンボルの数を参照して何らかの効果をもたらします。なので、マナ拘束の強さがメリットとなります。
 まず、このデッキを支えるのは、3種類のマナ・クリーチャーです。《エルフの神秘家》が4枚、《炎樹族の使者》が4枚、《森の女人像》が2枚の計10枚入っています。

エルフの神秘家炎樹族の使者森の女人像

 《エルフの神秘家》は、《ラノワールのエルフ》の同型再版ですので、基本となる1マナのマナ・クリーチャーですね。また、赤単信心でも紹介しました《炎樹族の使者》は、場に出たときだけですからやや変則的ですが、(赤)(緑)を生み出しますので実質フリースペルのクリーチャーとしてマナ加速に貢献できます。《森の女人像》は、懐かしのインベイジョンに収録されていた《ユートピアの木》の系譜を継ぐ壁クリーチャーですが、タフネスが1高くなり呪禁を獲得したことで、安定さが大きく向上しています。

 そして、キーカードと言えるのが、土地をアンタップできる《旅するサテュロス》です!

旅するサテュロス

 《旅するサテュロス》は、タップで土地1つをアンタップできるシンプルな能力ですが、2マナとタップで選んだ色の信心分のマナを生み出す伝説の土地、《ニクスの祭殿、ニクソス》をアンタップすることで、2倍のマナを引き出せるのです。他の信心デッキではケチって入れていませんでしたが、このデッキにはさすがにないとマナの支払いが厳しいため、2枚入れてあります。

ニクスの祭殿、ニクソス

 この生み出した膨大なマナをつぎ込む先は、《世界を喰らう者、ポルクラノス》の怪物化コストや《起源のハイドラ》、《召喚の調べ》《セテッサ式戦術》の奮励コストなどたくさん選択肢があります。
 
 4枚入っている《世界を喰らう者、ポルクラノス》は、間違いなくこのデッキの切札にあたるクリーチャーです。4マナ5/5デメリットなしと基本スペックもとても高い伝説のクリーチャーですが、特筆すべきはコスト(X)(X)(緑)の怪物化です。サイズ強化に加えて、望む数のクリーチャーに与えるダメージがX点版の格闘を行うというもので、同時に多くのクリーチャーを除去できます。Xを2つ含むので通常はあまり大きなダメージは見込めませんが(それでも十分強力ですが)、前述の《ニクスの祭殿、ニクソス》と旅するサテュロス》のマナ・ブーストにより戦場を焼け野原にできる可能性があるのです!

世界を喰らう者、ポルクラノス

 ポルクラノスは、テーロス最強の怪物として登場します。たくさんの頭部を持つハイドラで、首を斬られても切った箇所から更に二つの首が生えてきたり、身体を斬られてもすぐさま再生したりするため、テーロスの神々も手を焼いていたのですが、プレインズウォーカー、エルズペス・ティレルにより、首を完全に切り落とさないという巧妙な戦法により討伐されます。
 
 さて、このデッキにはもう1種類ハイドラが入っています。《起源のハイドラ》が2枚入っています。このクリーチャーは、唱えたときにライブラリーの上からX枚を見て、その中の点数で見たマナ・コストがX以下である土地でないパーマネントを1枚場に出すことができます。

起源のハイドラ

 《セテッサ式戦術》は、奮励つきの格闘能力付与インスタントであり、《世界を喰らう者、ポルクラノス》と同じく、相手クリーチャーの一掃に役立ちます。
 
セテッサ式戦術

 《召喚の調べ》は、ライブラリーからクリーチャーを直接場に出すことができるインスタントです。

召喚の調べ

 召集つきのため幾分かコストを抑えることができるほか、このデッキでは関係ないですが、点数で見たマナ・コストを参照するため色に関係なく持ってくることができます。そして、インスタント・タイミングで引っ張ってこられるというのも優秀ですね。
 そのため、このデッキには1枚挿しのクリーチャーが多く入っていて、それぞれ状況や相手のデッキ・タイプに応じて、ベストな選択を行うシルバーバレット戦術を採ることができます。

 1枚挿しとなっているのは、緑の信心分だけ回復できる《ナイレアの信奉者》、緑の神である《狩猟の神、ナイレア》、怪物化で飛行クリーチャーを仕留められる《高木の巨人》、威圧持ちで死亡時に6点ダメージを飛ばせる《小走り破滅エンジン》、飛行と接死を持つ1/1トークンを4体連れてくる《女王スズメバチ》の5枚です。

ナイレアの信奉者高木の巨人小走り破滅エンジン女王スズメバチ

 それぞれ状況によっては1体でもとても頼りになるクリーチャーですね。
 《狩猟の神、ナイレア》は、4マナ6/6破壊不能で、自軍のクリーチャーにトランプルを付与してくれるうえ、4マナと重いですがクリーチャー1体を+2/+2させる能力もあります。

狩猟の神、ナイレア

 ナイレアは、季節、狩猟を司る神であり、森や自然を守っています。よそよそしく用心深いところや、獰猛なところなど動物的な一面を持つようですが、親しい仲には陽気な姿を見せるなど季節のように気まぐれなのでしょう。

 このデッキには、2種類のプレインズウォーカーが2枚ずつ入っています。《世界を目覚めさせる者、ニッサ》と《獣の統率者、ガラク》です。
 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》は、5マナで初期忠誠度3とやや低めですが、[+1]土地1つを4/4のクリーチャー化、[+1]森4つアンタップ、[-7]ライブラリーから望む数の土地サーチ&4/4クリーチャー化と、すべて土地に関連していますね。

世界を目覚めさせる者、ニッサ

 2つ目の[+1]の森4つアンタップは、出したときの隙を埋められて実質フリースペル化できますし、マナ加速としてもとても良いです。1つ目の[+1]の土地をクリーチャー化するのも、1枚挿しで入っている《ダークスティールの城塞》を対象にすれば、なんと4/4破壊不能のクリーチャーとなってくれます。しかもこれ、1ターン限りではなく永続なんです。
 そして、奥義は言わずもがな。ド迫力ですし、決まれば容易にゲームセットできる威力ですね!

ダークスティールの城塞

 《獣の統率者、ガラク》は、6マナ初期忠誠度4と結構重いですが、[+1]ライブラリーの上から5枚中のクリーチャーを手札に加える、[-3]手札の緑のクリーチャー1体を場に出す、[-7]クリーチャー呪文を唱えるたびに、ライブラリーからクリーチャーを出せる紋章、とすべてクリーチャーの領域から移動させる系となっています。

獣の統率者、ガラク

 重さが難点ですが、このデッキでは比較的容易に出せますね。1枚挿しのクリーチャーを吊り上げたり、ライブラリーを掘り進めると良いと思います。

 さて、参考にしたMihara選手のデッキと異なる点は、1枚挿しの《漁る軟泥》と3枚の《クルフィックスの狩猟者》が、《加護のサテュロス》4枚になっていますが、これには大きな理由がなく単純に《加護のサテュロス4枚余っていたためです笑

漁る軟泥 モノクロクルフィックスの狩猟者 モノクロ

 《加護のサテュロス》は瞬速と授与があるので、奇襲性がとても高く、コンバット・トリックも狙えるため、デッキはよりアグレッシブになりますが4枚は多いですよね。。普通に、継続的にアドバンテージを得ることができる《クルフィックスの狩猟者》を採用し、墓地対策ができる《漁る軟泥》を挿すのが良いと思います。

加護のサテュロス

 最後に、基本土地の《森》ですが、もちろんすべてテーロスに統一しています。鉛筆のように細長い木々やまばらな木立は、正しくギリシャの自然特有の糸杉とオリーブの木ですね 背景世界に忠実で実に素晴らしいです

森1森2森3森4

 さて、トップメタに弱いマイナーな選択肢であった緑単信心ですが、タルキール覇王譚が参入し、ラヴニカの回帰ブロックが落ちたローテーション後も、《囁きの森の精霊》などを獲得し、青単信心や黒単信心が退場するなか、細く長く環境に存在し続けることができました。
 これで今現在持っている信心シナジーのデッキはすべて紹介し終えました。このブログを読んでいただいている方はお分かりかもしれませんが、カエルは白単信心だけ作っていません。それは当時スタンダードでも唯一と言っても過言ではないくらいパッとしないといいますか、活躍できなかったからです。とはいえいずれ5色揃えたいとは思っていますので、何か良いレシピがあれば組んでみたいと思います。

 以上、閲覧いただきましてありがとうございます。また、次のデッキ紹介でお会いしましょう。