今回のデッキコレクション紹介は、信心つながりで黒単信心です!除去や手札破壊でコントロールをしつつクリーチャーを展開するミッドレンジですが、大量ライフドレインという必殺技も持っています。

黒単信心
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◇クリーチャー(17)
4 冒涜の悪魔/Desecration Demon (RTR)
4 群れネズミ/Pack Rat (RTR)
4 夜帷の死霊/Nightveil Specter (GTC)
1 死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead (THS)
4 アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel (THS)
◇呪文(18)
4 強迫/Duress (M14)
4 破滅の刃/Boom Blade (M14)
2 肉貪り/Devour Flesh (GTC)
4 地下世界の人脈/Underworld Connections (RTR)
2 英雄の破滅/Hero's Downfall (THS)
2 胆汁病/Bile Blight (BNG)
◇土地(25)
25 沼/Swamp (THS)

 このデッキもテーロスのメインメカニズムである「信心」を活かしたデッキです。環境初期から活躍し、他4色のどれかをタッチした派生型も多く、またデッキ構成もコントロール寄りのものからビートダウン型まで様々存在していました。基本的な動きはクリーチャーを展開しつつ、除去呪文・手札破壊呪文でサポートしていきます。今回参考にしたのは、2013年のプロツアー「テーロス」でベスト8に入賞した山本賢太郎選手のデッキグランプリシカゴ14で優勝したTyler Blum選手のデッキです

 「信心」は、プレイヤーがコントロールする全パーマネントのマナ・コストに含まれる特定の色マナ・シンボルの数を参照して何らかの効果をもたらします。なので、このデッキでも混成マナ・シンボル3つの《夜帷の死霊》は大活躍です!

夜帷の死霊

 《夜帷の死霊》は、マナ拘束も強く、また能力が戦場や手札にアクセスできる系ではないため、通常であれば構築でのメイン採用は厳しいと思います。しかし、青単信心や黒単信心では優良な3マナ枠となっています。
 その他に山本選手とBlum選手のデッキは《生命散らしのゾンビ》が採用されています。信心が2貯められ、3マナ3/1威嚇+αと優秀ですが、特定の色対策カードであり、今回特に想定する仮想敵もありませんので、不採用としています。

生命散らしのゾンビ モノクロ

 さて、次に両デッキで4枚採用されているクリーチャーとして《冒涜の悪魔》があります。4マナ6/6飛行という強烈なスペックを持つデーモンで、信心2を稼げます。このデッキの主力ですが、デメリットとして各戦闘時に対戦相手がクリーチャーを生贄に捧げると、満足するのか+1/+1カウンターが乗ってタップされてしまいます。とても悪魔らしい良いフレーバーですね。

冒涜の悪魔

 対戦相手は、クリーチャーを生贄に捧げなくてはならないためプレッシャーにもなりますが、それでは毎ターンうまく凌がれてしまうことも考えられます。そこでこのデッキでは、《破滅の刃》4枚、《肉貪り》2枚、《英雄の破滅》2枚、《胆汁病》2枚と計10枚のクリーチャー除去と、定番の手札破壊呪文である《強迫》4枚で、この悪魔をバックアップしていきます。《英雄の破滅》はプレインズウォーカー対策、《胆汁病》はトークン対策も兼ねますが、これだけあるとノンクリーチャーデッキ相手に腐ることもあります。その分は、《冒涜の悪魔》に頑張ってもらいましょう笑


破滅の刃肉貪り英雄の破滅胆汁病強迫

 次に、同じく4枚採用しているクリーチャーとして《群れネズミ》が挙げられます。パワーとタフネスは、自分がコントロールするネズミの数を参照し、3マナと手札1枚で自身のコピートークンを生成し、繰り返すことで群れの規模も各個体のP/Tも強大なものへと膨れ上がっていきます。
 生成されたトークンも本体と同じコピー生成能力を持っていますので、除去体制もあり隙がありません。そして、トークンはマナコストも本体と同じになりますので、手札に余った土地などをネズミ・トークン化して信心を稼ぐことができるため、このデッキではさらに凶悪になります。

群れネズミ

 そして、黒の信心を参照にする切札が2種類あります。《死者の神、エレボス》と《アスフォデルの灰色商人》です。
 《死者の神、エレボス》は、4マナ5/7破壊不能とタフネスが高く、加えて対戦相手がライフを得ることを禁止するものと、マナとライフと引き換えにドローする能力の2つを持っていますライフ回復を禁じる能力は相手のデッキタイプによっては重要となりますが、盤面に触れることはできないうえに、ドロー能力は後述の《地下世界の人脈》がメインで担うため、デッキのスパイスとして1枚挿しに留めています。


死者の神、エレボス

 黒の神であるエレボスは、死を司ります。また、死の国には黄金があふれているらしく?(たしかにテーロス次元では、ゾンビがしているマスクも黄金ですよね)富を司る神でもあるようです。
 太陽の神、ヘリオッドが生まれ、最初の陽光が照らしたときにできた最初の影が後のエレボスなのですが、それを恐れたヘリオッドに死の国へ追放された経緯があります。その後、エレボスは自分の役割を受け入れ、ヘリオッドに追放されたことを知りつつも彼に協力しているとされています。この複雑な関係がどのような結末を辿るかは、「テーロス還魂記」で明かされますので、ここには書かないでおこうと思います。

 そしてもう1枚、このデッキで信心シナジーを得て大いに活躍するのは、4枚入っている《アスフォデルの灰色商人》です。5マナと重いですが、自身で信心を2つ稼げるうえに、場に出たときに黒の信心分だけ相手ライフからドレインするという強力な能力を持っています


アスフォデルの灰色商人

 この《アスフォデルの灰色商人》は、信心が稼げるパーマネントであるエンチャントとも相性が良いです。そこで、このデッキにはドローエンジン《地下世界の人脈》が4枚入っています。《地下世界の人脈》は土地にエンチャントするオーラで、タップして1点ライフを支払うと1枚ドローできます。やや地味目ではありますが、信心は2稼げますし、アスフォデルの灰色商人》でドレインしたライフを源にデッキを掘り進めることができます。

地下世界の人脈

 土地については、特殊地形は一切採用しておらず、すべて基本土地の沼にしています。(この理由は、正直に申し上げるとコストをケチりました。。)山本選手とBlum選手のデッキリストで共通しているのは、《変わり谷》と《静寂の神殿》ですね。どちらも単色デッキですが、Blum選手は《疾病の神殿》も追加し、ドローの安定性を高めています。

変わり谷 モノクロ静寂の神殿 モノクロ疾病の神殿 モノクロ

 そして、山本選手は《ニクスの祭殿、ニクソス》を1枚挿ししています。《ニクスの祭殿、ニクソス》は2マナとタップで選んだ色の信心分のマナを追加する伝説の土地です。土地3枚を要するものの、使い方によっては爆発的なマナ加速を行うことができるため、パイオニア発表後は、一気に高騰しましたね。カエルは安かった時に買って何枚か所有していますが、このデッキにおけるマナ加速の重要性はそこまで高くないため採用していません。本ブログ執筆時点で最安値2000円程度なので、これから買うのは中々厳しい出費となりそうです。。

ニクスの祭殿、ニクソス モノクロ

 基本土地の《沼》はすべてテーロスに統一しています。もやがかかり、薄暗く荒涼としていて、どれもエレボスが治める死者の国を連想させる良いイラストです

沼1沼2沼3沼4

 プロツアー「テーロス」で山本選手がベスト8入りしてから使用者は一気に増え、青単信心と並んで環境を席巻しましたが、相性の良かった混成マナ・シンボルがたくさんあったラヴニカへの回帰ブロックがスタンダード落ちし、代わりに楔型の3色を推奨する「タルキール覇王譚」が参入するローテーションによって終わりを迎えます。
 
 時は流れて、現在2020年。《アスフォデルの灰色商人》が
「テーロス還魂記」で新しいイラストで再録されましたね!
 
アスフォデルの灰色商人 再録

 「テーロス」版のイラストは、構図も秀逸で躍動感が感じられるうえにどこかキャラクターじみた丸いフォルムが味があってよかったですが、今回のイラストは控えめな色づかいによって全体的にくすんでいるところが死してなお金貨を運ぶ虚無さが感じられてリアリティ溢れるさまがよいですね!

 現環境には、《荒涼とした心のエレボス》や《
ロークスワインの元首、アヤーラ》、《残忍な騎士》など信心を参照するカードや色拘束の強い良カードがたくさんありますので、また黒単信心が再度勃興するのか、とても楽しみです。

荒涼とした心のエレボスロークスワインの元首、アヤーラ残忍な騎士

 以上、閲覧いただきましてありがとうございます。また、次のデッキ紹介でお会いしましょう。