今回のデッキコレクション紹介は、史上最も多くの禁止カードを輩出したと言われる凶悪なコンボデッキであるこちらです!
 軽量マナ・アーティファクトから大量の青マナを生み出すコンボデッキ、MoMa!!

MoMa
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デッキレシピ
◇クリーチャー(0)
◇呪文(41)
4 太陽の指輪/Sol Ring (3ED)
4 魔力の櫃/Mana Vault (5ED)
3 中断/Abeyance (WTH)
4 水蓮の花びら/Lotus Petal (TMP)
2 巻物棚/Scroll Rack (TMP)
3 精神力/Mind Over Matter (EXO)
3 通電式キー/Voltaic Key (USG)
3 魔力消沈/Power Sink (USG)
4 意外な授かり物/Windfall (USG)
4 時のらせん/Time Spiral (USG)
4 天才のひらめき/Stroke of Genius (USG)
3 嘘か真か/Fact or Fiction (INV)
◇土地(19)
4 真鍮の都/City of Brass (5ED)
4 アダーカー荒原/Adarkar Wastes (5ED)
4 トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy (USG)
7 島/Island (USG)

 デッキ名の由来は、キーカード《精神力》の英語名Mind Over Matterの頭文字を取ったものとされていますが、ニューヨーク近代美術館の略称として広く知られていることから、コンボが決まった時の動きの芸術的な美しさ(要はソリティアなんですが)にかけられているとされています。
 他にも、ターボ・ジーニアスやトレイリアン・ブルーなどの呼ばれ方もあるとのことですが(実際に『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』で来島くんが使っていたときは、ターボ・ジーニアスでしたね)、私は当時から今に至るまであまり馴染みがないため、MoMaで統一します。

 参考にしたのは、プロツアーローマ98を制したTommi Hovi選手のMoMaです!
 色々なリストを参考にしましたが、やはりどうせ再現するなら禁止カードが一枚も出ていない完成形をと思い、選択しました。

 まず、デッキの基本的な動きを確認しましょう。はじめに《魔力の櫃》や《水蓮の花びら》などの軽量マナ・アーティファクトを並べます。


水蓮の花びら魔力の櫃

 そうすると、元凶その1である伝説の土地《トレイリアのアカデミー》で大量のマナが出せるようになります。

トレイリアのアカデミー

 ただし、ここまでは、このカードをデザインしたウィザーズ・オブ・ザ・コースト社も想定していたそうです。比較的多くマナが出たとしても、手札もその分消耗しているため、大きな脅威にはならないと判断したようです。
 しかし、ここから元凶その2その3である《意外な授かり物》や《時のらせん》で手札を補充することができてしまいます。

意外な授かり物時のらせん

 特に、《時のらせん》はマナコストと同じ枚数の土地をアンタップすることができる、いわゆるフリースペルであるため、ここで《トレイリアのアカデミー》をアンタップすれば、さらに多くのマナを稼ぐことができます。
 そして、このデッキのキーカードである元凶その4《
精神力》は、カードを1枚捨てれば、アーティファクトかクリーチャーか土地をタップorアンタップすることができるため、《トレイリアのアカデミー》を対象にすれば、手札をたった1枚消費するだけでどんどん大量にマナを生み出すことができるようになってしまいます。


精神力

 最後は、その莫大なマナを用いて《天才のひらめき》X=60以上か、赤マナを出す手段があれば《火の玉》で止めを刺します。

天才のひらめき火の玉

 コンボの流れは以上です。パーツが多く、一見複雑なようにも見えますが、《意外な授かり物》や《時のらせん》はリセットする形で相手が考える戦略を崩してくれますし、対戦相手を倒すのに十分なマナが集まっていないときには天才のひらめき》はドロー手段にもなりますので、各カードの効果が密接にかみ合い、流れるようにコンボ達成を後押ししてくれます。
 また、ハルクフラッシュをはじめ、MoMaよりも1ターンキルの確率が高いデッキもMtGの世界には存在しますが、スタンダードで再現可能な瞬殺コンボだったことは今考えると本当に恐ろしいですよね。

 さて、そろそろわたくしカエルがカードの価格などを考慮した(というより高くて買えないカードを置き換えた)再現デッキを見ていきましょう。
 ただ、カエルが再現したときは、まだ《時のらせん》や《精神力》がレガシーで禁止されていた2007年以前であったため、どちらもワンコインで購入できるくらいでした。(今思えば安すぎるくらいですね)特に、《時のらせん》はブログ執筆現在で4,000円程度ですので、状況はかなり違いますね。これからMoMaの再現や類似デッキを作る方は、この障壁が一番厳しいですね。

 まず、最初にばらまく軽量マナ・アーティファクトも、《水連の花びら》と《魔力の櫃》は、購入当時は200~300円でした。再録など新規供給がないから当然なのですが、今はかなり値上がりしていますね。
 統率者戦で活躍している《太陽の指輪》は、MoMaのスタンダード型でもエクステンデッド型でも使われていません。その強力さゆえに収録がリバイズドまでで途絶えていますからね。本来は《モックス・ダイアモンド》が用いられることが多く、後期スタンダード型であれば《厳かなモノリス》が採用されていたりもしますが、その代替として入れました。《モックス・ダイアモンド》も《厳かなモノリス》もブログ執筆時現在で、安くても10,000円前後であり、カエルがデッキを再現していた頃も3,000円はしていた記憶がありますので、虎視眈々と狙ってはいますが、今に至るまで購入できていません。。

モックス・ダイアモンド モノクロ厳かなモノリス モノクロ

太陽の指輪

 また、マナは出ませんが、コンボを助けるアーティファクトである《通電式キー》や《巻物棚》も参考元のデッキと同じ枚数入っています。
 
通電式キー巻物棚

 この他の、コンボを助けるサポートカードとして、対戦相手の行動を1ターン封じる《中断》や打消し呪文《魔力消沈》が入っていますが、強力なサーチ呪文である《直観》はやはり1枚3,000円以上しますので入っていません。

中断魔力消沈

 代わりに、同じ効果とは言えませんが、ある程度は近いサーチ呪文である、後世に出た《嘘か真か》を採用しています。ライブラリー全体から探してくることができる《直観》に比べて見られる範囲は狭いですが、ライブラリーの上から5枚も見ることができます。

直観 モノクロ嘘か真か

 最後に土地の確認です。Hovi選手のリストは、フォーマットがエクステンデッドですので、《Tundra》や《Volcanic Island》といったデュアルランドが当然のように4枚ずつ採用されていますが、このデッキではもちろん採用していません。というより採用できませんですね笑

Tundra モノクロVolcanic Island モノクロ

 また、マナベースを安定させたいため、《火の玉》を入れずに青タッチ白にしてあります。よって、《トレイリアのアカデミー》以外の特殊地形は、《アダーカー荒原》と《真鍮の都》のみとなっています。

アダーカー荒原真鍮の都

 どちらも当時の年代を考慮し、基本セット第5版を採用しています。この時期のイラストは今のデジタルのイラストとは異なった趣きがあって味のある良いものが多いですね。
《アダーカー荒原》の澄んだ雪原は白と青マナらしく、また打ち捨てられたアーティファクトも荒んだ感じがよく表されています。また、《真鍮の都》は、その前のイラストや後世のイラストに比べて輝き具合でいうとだいぶ控えめですが、広漠な砂漠と燦燦と輝く太陽に照らされた真鍮製の都はまるで黄金のように見えてきます。

 残りの基本土地は《島》で、すべてウルザズ・サーガの森に統一しています。Donato Giancola氏のイラストはどれも美しいですね。カエルは中でも、2枚目と4枚目の穏やかな浅瀬に浮かぶ特徴的な弧状の緑豊かな島が特に好きです。

島1島2島3島4

 このデッキは当時のスタンダードの禁止カードを6枚も輩出して退場するまでの間、1998年の終わりから1999年始めにかけて様々なフォーマットで猛威を振るったことから、「MoMaの冬」とまで呼ばれ、今も伝説となっています。
 禁断のコンボデッキとして今も根強い人気?を持っていますが、それは上記のような逸話や、前述のとおりコンボの芸術的美しさ以外にも、当時の背景ストーリーの主人公の一人であるプレインズウォーカー、ウルザ関連のカードが多いことも関係していると言われています。
 キーカードの《精神力》をはじめ、《天才のひらめき》や《トレイリアのアカデミー》などウルザの強大な力の一端に触れることができるデッキでもあるのですね。
 以上、閲覧いただきましてありがとうございます。また、次のデッキ紹介でお会いしましょう。